カウンセラーの年収を調べると、いくつかの数字が出てきます。400万円台、500万円台、あるいはもっと低い数字。
ただ、その数字を見て「思ったより低いな」と感じた方に、先に伝えておきたいことがあります。
検索して出てくる年収データのほとんどは、雇われて働くカウンセラーのものです。独立して自分で相談を受けている人の数字は、そもそも統計に出てきません。
この記事では、公的データで勤務型の実態を確認したうえで、独立した場合に収入がどう決まるのかを整理します。
公的データで見るカウンセラーの年収
まず、信頼できる数字から見ていきます。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が公開している、令和7年賃金構造基本統計調査の数値です。
- カウンセラー(医療福祉分野):平均年収 454.2万円/平均年齢 37.6歳
- スクールカウンセラー:平均年収 583.3万円/平均年齢 41.7歳
- ハローワーク求人賃金:いずれも月額 24.8万円(令和6年度)
ここで注目したいのは、平均年収と求人賃金の差です。求人票に出ている金額は月24.8万円。単純に12倍しても約298万円で、平均年収の454万円には届きません。
この差は、勤続年数が長い層や常勤で複数の役割を持つ層が平均を押し上げているためです。これから入る人が最初に受け取る金額は、平均値ではなく求人賃金のほうに近いと考えたほうが現実的です。
時間給で見ると、カウンセラー(医療福祉分野)が一般労働者2,266円、短時間労働者1,568円。スクールカウンセラーは一般2,876円、短時間2,086円です。スクールカウンセラーの時間給は高く見えますが、多くが非常勤で勤務日数が限られるため、時間給の高さがそのまま年収になるわけではありません。
この数字が、独立する人に当てはまらない理由
ここまでの数字には、共通する前提があります。どれも、組織に雇われて働いている人の統計だということです。
病院、学校、企業の相談室、福祉施設。こうした場所で働く人の賃金が集計されています。自宅やオンラインで個人の相談を受けている人、民間資格でカウンセリングを提供している人の収入は、この統計には入っていません。
もうひとつ、これらの職場の多くは公認心理師や臨床心理士を前提にしています。民間資格を取って個人で活動しようとしている人が、この求人枠に入っていくのは簡単ではありません。
つまり、民間資格を取った人がこの年収データを見ても、自分の将来の数字としては読めないということになります。低いと感じて落ち込む必要も、高いと期待する必要もありません。別のルールで動く世界だからです。
独立したカウンセラーの収入を決める3つの数字
① 単価
独立した場合、収入は雇用条件ではなく自分の商品設計で決まります。その一番目が単価です。
1回5,000円で受けるのか、3ヶ月18万円のプログラムとして受けるのか。同じ時間を使っても、手元に残る金額はまったく違います。
ここで多くの人が、相場に合わせて安く設定します。ただ、単価を下げると必要な人数が増え、集客の負担がそのまま重くなります。単価は、自分がどれだけ集客に労力をかけられるかとセットで決めるものです。料金の考え方はカウンセラーの料金設定はいくら?高単価の作り方にまとめています。
② 月の新規件数
2つ目は、毎月どれだけ新しい人が来るかです。ここが集客の話になります。
計算はシンプルです。月商30万円を目指すとして、単価1万円なら毎月30人、単価15万円なら毎月2人。必要な人数が15倍違います。
広告を使わずに発信だけで集めるなら、毎月30人を連れてくるのは現実的ではありません。逆に月2人なら、記事や動画が積み上がってくれば十分に届く範囲です。単価と件数は、片方だけで決められません。
③ 継続する期間
3つ目が見落とされやすいところで、1人がどれだけ続くかです。
単発で終わる形だと、毎月ゼロから新規を探し直すことになります。3ヶ月続く形にすれば、1人あたりの売上が3倍になるだけでなく、翌月の売上が読めるようになります。
収入が安定しないという悩みの原因は、単価でも件数でもなく、ここにあることが多いです。詳しくはカウンセリングが単発で終わる理由と継続につなげる設計で書いています。
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実際に回っている個人カウンセラーの数字
抽象的な話だけでは判断しにくいと思うので、私が5年以上集客を担当しているカウンセラーの数字を出します。
- 商品単価:約30万円のプログラム型
- 月の新規契約:2〜5件
- 月の売上:60〜120万円
- 広告費:ゼロ(YouTubeとブログからの流入)
ここで正確に書いておくと、これは売上であって年収ではありません。ここから経費と税金が引かれます。それでも、勤務型の平均年収と比べたときに、桁が変わる領域に届いているのは確かです。
ただし、この状態になるまでに5年かかっています。YouTubeは107本、ブログは月4,000PV、公式LINEの友だちは約2,000人。積み上がるまでの期間は、収入としてはほとんど成立していませんでした。
独立の収入は、うまくいけば勤務型を超えます。ただ、それは立ち上げの期間を耐えられた場合の話です。ここを飛ばして語るのは誠実ではないと思っています。
収入を上げたいときに、先に見るべき場所
年収を上げたいと考えたとき、多くの人はまず集客を増やそうとします。発信を増やす、SNSを始める、広告を検討する。
ただ、順番としては先に見るべき場所があります。
いま単価1万円で月5件なら、月商は5万円です。ここで集客を2倍にしても10万円。一方、単価を15万円のプログラム型に変えて月2件にすれば30万円になります。集客量を増やすより、単価と継続の設計を変えるほうが、同じ労力で結果が大きく動きます。
もちろん、単価を上げれば申し込みのハードルも上がります。だからこそ、値段を書き換えるだけでは足りず、内容と伝え方をセットで組み直す必要があります。
資格を追加で取るという選択も、収入という観点では後回しでいいと考えています。相談が来ない原因が学びの不足であることは、実際にはあまりありません。ここは心理カウンセラーの資格は意味ない?取ったあとに必要なことで詳しく書きました。
まとめ
カウンセラーの年収は、働き方によって前提がまったく変わります。
- 勤務型の平均年収は454.2万円(医療福祉分野・令和7年)
- ただし求人賃金は月24.8万円。入口の金額は平均より低い
- 独立型の収入は統計に出ない。単価×件数×継続で決まる
- 単価と継続の設計を変えるほうが、集客量を増やすより効く
検索して出てきた年収の数字に、自分の将来を当てはめる必要はありません。雇われるなら統計が参考になりますし、独立するなら統計は関係なくなります。どちらの道を選ぶかで、見るべき数字が変わります。
独立を考えているなら、次に決めるのは資格でも肩書きでもなく、単価と、その単価で申し込んでもらうための流れです。
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出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「カウンセラー(医療福祉分野)」「スクールカウンセラー」(令和7年賃金構造基本統計調査、ハローワーク求人統計データ令和6年度)
心理カウンセラーのオンラインコミュニティ「WaReKaRa」で集客責任者を5年以上担当。広告ゼロで月60〜120万円の集客導線を構築してきた実績をもとに、カウンセラーが発信からLINE登録・申込みまでの導線を整えるための情報を発信しています。
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