「開業って、何から手をつければいいんだろう」
「届け出とか税金とか、知らないまま始めて大丈夫かな」
カウンセラーとして開業するとき、手続きの部分で不安になる人は多いです。
でも、実際にやることはそれほど多くありません。必要な書類は限られていて、ほとんどは1日あれば終わります。
この記事では、開業届や青色申告の手続き、最初にそろえておきたいものを整理します。
そして最後に、手続きよりも先に決めておいてほしいことをお伝えします。
なお、僕は税理士ではありません。税金まわりは、ここで全体像をつかんだうえで、国税庁のサイトや税理士さんに確認してください。
カウンセラーの開業に、許可や登録はいらない
まず安心してほしいのは、民間のカウンセラーとして開業するのに、国の許可や登録は必要ないということです。
美容室や飲食店のように、保健所の許可が必要な仕事ではありません。
民間資格を持っているかどうかに関係なく、今日からでもカウンセラーとして活動を始められます。
ひとつ注意したいのは、公認心理師という名前です。
これは国家資格で、資格を持っていない人がこの名前を名乗ることは法律で禁じられています。プロフィールや肩書きでは、自分が持っている資格の名前を正しく書くようにしましょう。
開業届は、いつまでに出せばいいか
個人で開業するときは、税務署に個人事業の開業届出書を出します。
いわゆる開業届です。
提出期限は、以前は開業日から1か月以内でしたが、2026年からは開業した年の確定申告の期限までに緩和されています。
たとえば2026年に開業したなら、翌年3月の確定申告の期限までに出せば間に合います。
出し方は、税務署の窓口に持っていくか、郵送するか、e-Taxで電子提出するかのどれかです。
書く内容は、名前や住所、仕事の内容、開業日などで、難しい項目はほとんどありません。
開業届を出さなかったことに対する直接の罰則は、実務上ほぼないとされています。
ただ、屋号の入った銀行口座を作るときに必要になることがあるなど、出しておかないと困る場面があります。期限が延びたからといって後回しにせず、開業したら早めに出しておくのがおすすめです。
青色申告承認申請書も、一緒に出しておく
開業届と一緒に出しておきたいのが、青色申告承認申請書です。
確定申告には白色申告と青色申告があり、青色申告にすると、条件を満たせば最大65万円の控除を受けられます。
65万円の控除を受けるには、複式簿記で帳簿をつけること、e-Taxで申告することなどの条件があります。会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても対応できます。
ここは期限に注意が必要です。
その年の1月16日以降に開業した場合は、開業日から2か月以内に出さないと、その年は青色申告ができません。開業届より期限が短いので、2枚まとめて出してしまうのが確実です。
確定申告そのものは、毎年2月16日から3月15日までの間に、前の年の1年分をまとめて申告します。
開業1年目は、このタイミングで初めて帳簿と向き合うことになるので、日々の記録を後回しにしないことが何よりの対策です。
控除の金額や条件は、税制改正で変わることがあります。
提出する前に、国税庁のサイトで最新の内容を確認してください。
開業するときに、最初にそろえておきたいもの
書類のほかに、最初に整えておくとあとがラクになるものが3つあります。
① お金の口座を分ける
カウンセリングの売上と、生活のお金を同じ口座で管理していると、確定申告のときに大変な思いをします。
仕事用の銀行口座とクレジットカードを1つずつ用意して、売上の入金も、仕事の支払いも、そこに集めておく。
これだけで、帳簿づけの手間がかなり減ります。会計ソフトと口座を連携させれば、明細の入力もほぼ自動になります。
② 屋号と、表に出す名前を決める
屋号は、なくても開業できます。
ただ、カウンセリングルームの名前として使いたいなら、開業届に書いておくと、屋号つきの口座を作るときなどに役立ちます。
あわせて決めておきたいのが、発信で使う名前です。
本名でいくのか、活動名でいくのか。YouTubeやブログ、公式LINEで名前がばらばらだと、見つけてくれた人が同じ人だと気づけません。どこで見ても同じ名前になるように、最初にそろえておきましょう。
③ 申し込みと支払いの受け皿を作る
いざ相談したいと思ってくれた人が、どこから申し込んで、どうやって支払えばいいのか。
ここが用意されていないと、せっかくの申し込みを取りこぼします。
最初は大がかりなものでなくて大丈夫です。
申し込みフォームと、カード払いか振込の案内、日程の決め方。この3つが一本の流れでつながっていれば、まずは十分です。
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会社員を続けながら副業として始める人は、勤め先の就業規則も確認しておきましょう。
副業を認めているか、届け出が必要かは、会社によって違います。あとから慌てないように、開業届を出す前に一度目を通しておくと安心です。
手続きより先に、決めておいてほしいこと
ここまで手続きの話をしてきましたが、正直に言うと、開業でつまずく人の多くは手続きでつまずいているわけではありません。
開業届を出して、口座も作って、名刺も作った。
でも、誰からも申し込みが来ない。このパターンがいちばん多いです。
手続きは、書類を出せば終わります。
でも、誰のどんな悩みを扱うのか、何をいくらで提供するのか、どうやって見つけてもらうのか。この3つは、自分で決めない限り、いつまでも決まりません。
開業届の用紙には、仕事の内容を書く欄があります。
そこに迷わず一言で書けるかどうかは、開業の準備ができているかを確かめるいいチェックになります。
開業1年目のお金は、固定費を小さく
最後に、お金の使い方について。
開業すると、あれもこれも整えたくなります。
カウンセリングルームを借りる、高い講座を受ける、いろいろなツールに月額で課金する。どれも必要に見えますが、申し込みが安定する前に固定費を増やすと、精神的にも苦しくなります。
1年目は、毎月出ていくお金をできるだけ小さくしておくのがおすすめです。
オンラインなら場所代はかかりません。ツールも、無料プランや最低限の有料プランから始めて、必要になったら広げれば十分です。
僕が集客を担当している心理カウンセラーのオンラインコミュニティも、広告費ゼロで運営しています。
お金をかけずに続けられる形を最初に作っておくと、集客の仕組みが育つまで、焦らずに待てるようになります。
まとめ
カウンセラーの開業に、許可や登録はいりません。
やることは、次の2つの書類と、最初の準備です。
- 開業届を税務署に出す(開業した年の確定申告の期限まで。でも早めに)
- 青色申告承認申請書を出す(1月16日以降の開業なら、開業から2か月以内)
- 仕事用の口座を分け、名前をそろえ、申し込みと支払いの受け皿を作る
そして、手続きと同じくらい、誰に何をいくらで届けて、どう見つけてもらうかを決めておく。
ここが決まっていれば、開業届を出した日から、すぐに動き出せます。
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